- 建築コラム

ベルリン・プラハ・ウイーンの旅

ベルリンは新しい街です。
大きな戦争で歴史的な建物がほとんど壊滅状態になったからです。
ベルリンの現在の人口は約3.400.000人でその内外国人は13.7%で、トルコ系が多いそうです。
ちなみに日本人の在住は約3.000人だそうです。
街並み全体が都市の割には緑が豊富です。それはドイツ全体の風習で、木を1本切ると3本の苗木を植えるという決まりが16世紀から守られているからです。
ベルリンは東西ドイツ分断や冷戦、ナチス・・・・などイメージ的にはダメージの方が強いです。
戦後70年の復興の経緯と結果が日本とは異なるようです。
一番大きく感じたのは都市計画の違いと一般庶民の建物への意識の持ち方かな・・・・

今回の旅も建築に特化した企画で、数が今までで一番多いです。
その中で私のお気に入りをご紹介します。

 

ベルリンに限らず住まいは自己所有意識が少なく集合住宅(国営と思われます。)が多いです。
街区により建築家が趣向を凝らして設計しています。

ジードルンク(集合住宅)
1925年
設計:ブルーノタウト1880年~1938年
所在地:ベルリン
中央の池を住棟が囲み、その形状が馬蹄型の集合住宅とも呼ばれています。
敷地は33haに2000戸が6期に分かれて建設されました。
100年を経ても現在もたくさんの人が生活しています。
池を囲んで大きく馬蹄型をしてます。
タウトは日本でもおなじみです。
戦争を逃れて一時高崎少林山 達磨寺で暮らしていました。
日本では時代的に作品はほとんど無く、今回ドイツで多くの建物を見て改めて実力の高さを実感しました。

 

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AEGタービン工場
1910年
設計:ペーター ベーレンス(1868年~1940年)
所在地:ベルリン
現在も稼働している工場です。
全長100m以上もあり 先が見えないくらいです。
鉄骨建築の近代への出発になった建物です。

 

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ユダヤ博物館
1993-1998年
設計:ダニエル リべスキンド1953年~
所在地:ベルリン
ジグザグ形の亀裂の開口の外観は一瞬ドキッとします。
この建物は玄関がありません
左の旧博物館から入り、地下深く階段を下りてこの建物に到着します。
漆黒に塗られた展示室内の壁裏の空洞の吹き抜け空間は、失われたユダヤ人の長い悲劇の歴史を表現しています。
建物内部全体は順路に非常に上手にレイアウトされて、さ~っと見て出るようにはなっていませんでした。それだけ重いテーマということです。

 

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ベルリンの壁
1961年から1989年の間 東西を分断した全長155Kmのコンクリート製の壁を記念碑的に残しています。
この壁は東西それぞれから干渉地帯を設けて有りました。
その幅は20kから大きいところは100kにおよびました。

 

 

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バウハウス校舎群
1926年
設計:ヴァルター グロピウス1883年~1969年
所在地 デッサウ
デザイン学校です。モダニズム建築の代表作
デザインの学習で単に机上のみならず実践をふまえての講義をしました。
寄宿舎なども左奥にみえます。
半地下はカフェです。ここでランチを食べました。

 

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チューゲンハット邸
1928-1930年
設計:ミースファンデルローエ(1886年~1969年)
所在地:チェコ ブルノ
いわゆる豪邸!!です。
予算に制限無というすごい家です。
道路より1層下に開放的な居間を配置して南全面が総ガラスです。
設備なども当時としては最高級を設置しています。
豪華そのものですが、ゆっくりと落ち着けるかな?

 

 

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ダンスをするビル
1992-1996年
設計:ゲリー(1929年~ )
所在地:チェコ プラハ
大きな道路の交差点の角地にあります。
発想がとてもユニークです。
いかにも楽しくリズミカルです。

 

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現代アートセンター
2003年
設計:ピーター クック
所在地:オーストリア グラーツ
異様な形に圧倒されます。
美術館ですが、なんか別の生き物のようです。
何か連想できませんか・・・?
そう!海鼠(なまこ)に似ていませんか?

 

 

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いつも楽しい旅をありがとうございました。