- 建築コラム

スウェーデンの旅

スウェーデン・ノルウエーに2週間の旅をしました。
ヨーロッパの他の国と同じように大都市以外の街並は数百年を超える建物が一般庶民とともに生活されています。
建物への修復工事も既存や廻りへの景観などをとても重視され、また法令化されています。
大前提として古い建物へのいたわり、こだわりがとても強いと感じました。
それも、日本のように文化財・保護・・・等のこだわりや一部の人の考えでなく、誰でもがベースに街並と景観意識の価値観を持っています。

別で旅全般で物価が異常に高い。インフレ?と痛感しました。
例えば、
コーヒーとクロワッサン1ヶで1500円(露店)。
ハンバーガー1ヶ800円。
ビール350mlで600円(アルコール5%)。
ホテル宿泊が日本で一万円相当の設備仕様内容だと二万円でした(全宿泊シャワーのみ)。
消費税25%などなど・・・・いつも程度のキャッシングでは現金が全然足りませんでした。
ちなみに従兄がヨーテボリに永住していて、現在日本の年金相当が月額50万円。第2の職がガードマンで月額50万円で、税金が50万円とのこと。
経済システムを理解するのはとても困難な旅でした。

①森の火葬場
ストックホルム 1940年
設計:エリック グンナール・アスプルンド
ストックホルム郊外にある市営の墓地で75ヘクタールの敷地に礼拝堂・火葬施設・墓地が周囲の自然にとけこむように配置されています。
日本の斎場とは全く違って、大地に一体となるように設計・施工されていて違和感なく亡くなって自然へ宇宙へ帰ることを表現しています。
94年に世界遺産に登録。
②ストックホルム市庁舎 1923年
設計:Ragnar Ostberg
外壁の濃い茶褐色のレンガと水辺に立つロケーションの良さは「建築の女王」とも呼ばれ、気品に満ちています。
スウェーデンにおけるナショナルロマンチシズムの最高傑作といわれるだけに、全体のバランスの良さと中庭の広さなどがとても心地良い空間になっています。
下の写真は1階の青の間で、毎年12月にノーベル賞の受賞式後の祝賀晩餐会が行われます。
③ストックホルム市立図書館 1928年
設計:エリック グンナール・アスプルンド
1番目の森の火葬場と同じ建築家による設計で、後のフィンランド A・アールトなど北欧建築家に影響を与えました。
グル~リ360度、三層分、高さ約8メートルからなる本の空間は圧巻です。
スタートから1周、エンドレスで見られるのも魅力的です。
日本での川の字の書架棚からは、想像をはるかに超えるインパクトがあり、とても楽しい空間です。
④スカンセン(野外博物館)
16世紀の農家建築
他に教会・領主の邸宅など150棟の建物を保存公開しています。
内部は暗く、寒い感じが夏に行っても直接的に伝わってきました。
長く寒く暗い黒夜を当時の人はどのような団欒があったのかと想像してみました。
やはり暖炉が重要な要素の一つ。
⑤旧市街の世界で一番狭い路地
幅が狭いところは1.3~1.5m程度で、細い、ほそーい路地です。
過日NHKで放送されたこともあって日本人の見学者が多かったです。
⑥ビスビーの町並み(世界遺産)
12世紀
ゴットランド島(本国よりフェリーで1時間半)
12~14世紀にハンザ同盟によるバルト海の貿易の中心として栄えた。
城壁で囲まれた旧市街は中世の趣があり、当時の繁栄をそのまま残しています。
⑦農家の納屋
途中の車の中から見えた普通の農家の納屋と思われる建物。
壁が漆喰で屋根がカヤ?葺き。棟の飾りがおまじないかな…?!
藤森照信さんの草屋根などを思い出しました。