建築コラム

デンマーク・フィンランド旅行記

2004年 8月

先日二週間ほど、デンマークとフィンランドへ旅行しました。
フィンランドは学生の頃より大変尊敬している建築家アルバー・アールトの建築を見学するのが、最大の目的でした。旅先で見てきたものや、資料の一部をご紹介します。

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今回は、アールト博物館・ムーラメ教会・ムーラッツァロの実験住宅(自邸別荘)、タウンホール(ユバスキラ)・ヘルシンキ自邸・アカデミア書店(カフェ・アールト)など、数ある中から見学可能な住宅やホールを主に見て廻りました。本の中での世界から、現実にその空間に立てたことに大変感激しました。
「建築……その真の姿は、人がその中に立った時にはじめて理解されるものである」Alvar・Aalto(1898.2.3~1976.5.11)

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2_1    1936年に完成したこの自邸は、アトリエ兼住宅。
アトリエスペースは巨匠とは思えないささやかなスペースで、とても親近感を覚えました。
自邸の壁に当時使用していたT定規や三角定規、帽子などが並んでいます。写真では分かりにくいですが、バックは畳表のイグサによく似ています。



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湖の水面から突き出た巨大な岩の法部分に建っています。
周りの自然条件ともマッチしていて中庭形式、白い壁面と赤レンガの調和も絶妙です。屋内と屋外の境界を取り払い、外の自然との一体感はどこか日本的な雰囲気を感じます。
中庭の赤レンガのこの面を50ヶ所に区分しており、様々なレンガの種類・質・工法・耐久性・視覚的効果など…様々に試行しています。



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巨大な岩盤を大きくくりぬき、アーチ屋根を掛け、内壁は岩肌そのままの仕上げになっています。建築が自然との調和を見事に実現している建物です。
光の入り方、岩壁を落ちる地下水、そして音響効果のすばらしさ…・・。北欧の空の下、岩盤という頑強の地盤だからこそできるスケールの大きい教会でした。



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今回前半はデンマークも旅しました。
白い壁とオレンジ屋根瓦、そしてほとんどの道路が石なので、全体的にどこへ行っても柔らかい、自然な雰囲気が心優しく出迎えます。
この国も全体的にデザインに優れています。家具・照明・食器などシンプルで色使いの艶やかさが素直に受け取れます。
住宅外壁も赤・黄・緑・白…色とりどりですが、基本が漆喰、レンガに塗装などで、その土地の土を使っているためより自然なのでしょう。また、フィンランド含めて夏は太陽の下の明るさがありますが、冬場など半年近く暗い中での毎日の生活のため、外装・インテリアなどの明るさ・艶やかさが合うのではと考えます。
他に美術館なども多数の見学をしました。
特に海辺に建つルイジアナ美術館では配置が桂離宮の雁型配列になっています。また室内も日本的に感じる構成でとても不思議な空間でした。

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石畳の街並にはどこか暖かみを感じます。

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番外:石畳の路地で出会った猫ちゃん。

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